ノージンジャー

『もったいない』が世界で流行って、ルー大柴がNHKで歌を歌うほど。
日本の伝統をさらに世界に広げるチャンスかどうかは知りませんが、二匹目のドジョウを狙う算段はもう先を越されていますか?
次に来る日本の言葉を帰りの坂道でなぜか考えてて、どうもネガティブな言葉しか出てこないことに、家に着いたときに気がつきました。
んで、
『もったいない』の次は『しょうがない』じゃないかと。

しょうがないは、本来「仕様がない」と書く。
「仕様」は「するさま」のことで、方法や手段を意味した。
しょうがないは「手段や方法さえもない」という意味で使われていたが、手段がないことから諦めの意味として使われるようになった。

武士が切腹の際に詠む辞世の句のような、『さようなら』に含まれる「左様ならば」のような、そんな諦めミクスチャーなんじゃないの?
先日、山梨のイベント『べるがオータムフェス』に参加させてもらいました。
朝9時に到着していなければならないのですが、最寄り駅に到着する12時ジャストの2分前に、線路の上で電車が止まってしまいました。
おや?なんて思って外の景色を見るのですが、田んぼがあって、いくつもの田んぼの真ん中に大きな家があったのです。
街灯らしきものがない道を夜の10時に年頃の女子が家路を急ぐさまを想像し、治安が良いのか悪いのか、暗闇の恐怖に慣れるのか慣れないのか、成人したらきっと東京に行くのだろうかなどと勝手な想像をしているときにアナウンスが流れました。
「鹿と衝突したので、現場を確認しております。」
なんという。
いるかいないかわからない女子に思いをはせている時に、虫の息かどうかわからない鹿がすぐそこにいるというのだ。
そのせいで遅くなったとは言いませんが、言ったような気もします。
山梨の水は、どこの水道をひねっても美味い。という持論を引っさげての山梨到着。
当初、散歩がてら歩いて現場まで赴こうとしてたけど、迎えに来てもらえるということで甘えた。
車で走ること20分。
歩いていたらどうなっていたことかと背筋がゾクッとしましたよ。
現場は自然が唸るほど押し寄せてくる巨大な公園だった。
その真ん中にステージが作られていて、出演バンドのチェックが行われていた。
お客さんもその様子から楽しんでいるようで、ビールを飲みながらピーカンの空の下、休日を満喫しているようだった。
ギターを取り出し、出番がまだまだなので、そのあまま森の中に飛び込んだ。
本当にビックリするくらい、森ってすげえね。
ステージの音が聞こえなくなるくらい遠くまでトコトコ歩いて、森の中のいろんな音が聞こえるのに、とても静かだ。
そこで現在モストラブコードのGをジャラーンって。ジャラーンって。
時々散策に来るカップルにお構いもせずに、大声でトレーニングしてまして。
そろそろかな?なんて戻ってみると、まだまだ先でござるよって。
また森の中。
もう陽が翳りますよってときに、出演。
前に行われていたバンドの熱が残るステージで、始まりはクレッシェンドでなんとなく。
俺のミュージックは俺は結構知ってるので、そこにいる皆さんのミュージックも聞かせてもらった。
いろんな人がいて、いろんなミュージック。
ステージが終わり、ついに夜。
夕食のバーベキューはビール。みんながいつの間にか温泉に入っているときもビール。
周りにお客さんがいなく、お店の人とお話をしながらビール。
とにかくピッチャーとジョッキとおしゃべりをアイテムに、山梨の夜を爆走しておりましたんす。
そのときか、その前か。
空を見ました。
ビックリするくらいの星が、気がつけば俺の頭上にあって、「これ、全部無料?」なんて思うくらいの圧巻でした。
宿に戻り、すげえウイスキーを飲んだら、もうわけがわからなくなり、隣に来ていたテニス集団の宿にいました。
屋上的なテラスがあったな。
そこのテーブルの上に寝っころがり、重力のある星空に引っ張られていくのを必死に耐えていたのを知ってる。
そうこうすると、テニス集団の男子のひとりに羽交い絞めされながら自分の宿に帰りましてん。
あっと思えば次の日で、頭が痛かった。
スパアスロンという競技があるので出ないかって言われたら、出る。
広い公園の中に隠されたクイズやスタンプを集めてゴールを目指す競技だ。
頭の痛さを抱え、持ち前の明るさもどきで3位になった。
べるが名物の塩サイダーをもらって上機嫌になって温泉に突入。
なんて山か聞いたけど忘れちゃったが、露天風呂から見える風景が、素晴らしい。
まんべんなくこの風景をばら撒く懐の広さを横目で見ながら、汗を出して昨日のお酒を抜きたいと一心になっている俺は、小さくなって温泉に入っていた。
この『べるがオータムフェス』に2年連続で呼んでくれたかねごんとその家族。
そのたびに迷惑をかけながらもワハハと笑って車に乗せてくれるダイゴとその家族。
タバスコブラのみんな。
上野のパチンコ屋の店員とカラオケ屋の店員。
山梨まで足を運んでくれた君。
目撃してくれたみんな。
ありがとうございました。
なんか、すみません。
大空の下で歌うのは、本当にすげえよ。
でも、本当に俺はしょうがないですね。