WORDS
夏の途中

八月の午後は白い光のかたまり
畳の上で僕はひと眠り

夏の王様は裸のまま高笑い
寝惚け眼の僕はまだ眠い

ひもがほどけた あああ 境界線
ゆめもうつつも 今 いいところ

ぬけがら残した蝉の声がうるさくて
消えたまどろみを探す夏の途中

八月の夜は丸い水滴の中
麦茶を飲んで僕は平泳ぎ

すずがちぎれた あああ 双眼鏡
どこもかしこも 今 いいところ

噂コソコソ虫の声がうるさくて
消えたあくびを探す夏の途中