アネモネ

君の手の甲に浮かぶ静脈。
青く君を生かすその躍動は、おとぎ話のようにリアリティがない。

しかし、君が相づちを打つ俺の言葉は低気圧に吸い込まれ、台風を構成し、そのうちオホーツク海にきえてしまう。

だが、君の相づちをひとつでも多く獲得するために、
静脈の優しさを味方につけようとするが、静脈は動脈の言うことしかきかないのだ。

美しさは俺の中にだけあればいい。