WORDS

四月のバカ

「四月になれば真っ白い雪も溶けて川になって流れていくの」
それがどうした あたりまえのことを さも偉そうに

二つの呼吸 立方体の部屋ん中で渦になって絡みつくのよ
いっちょ前の言葉よりも そうドラマチックに

時折見せる胸をざわつかせる行為
シャボンのように消えたプラン
刻む秒針のグルーブ
戻せない時間をせめて止めて神様

四月のバカ 僕のあの人を
どこか遠くまで連れて行かないでよ

三十六度九分 平熱をほんのちょっと超えたあたりたまんないよね
なんのこっちゃ こんなことも言えるほど余裕はない

四の五の言えば そっけない返事だけじゃこころなしかつまんないでしょ
やいのやいの囁いてよ そうロマンティックに

なにゆえ揺れる 行って来いで目と目だけで問う
なんだかんだ長いまつげも
伏し目がちなまぶたも
止まらないならあと少しだけ神様

四月のバカ 僕のあの人を
どこか遠くまで連れて行かないでよ

トボトボ

朝から晩までトボトボ
寝ても覚めてもトボトボ
人目を気にせずトボトボ
あの町この町トボトボ
飛ぼう飛ぼう飛ぼう見よう見まねで

春夏秋冬トボトボ
十中八九はトボトボ
おやつの時間だトボトボ
ハイリハイリフレトボトボ
トボトボ歩いてトボトボ飛ぼう

トボ…トボ…トボ…トボ…
合法的に飛ぼうぜベイベー

東京特許でキョキョキュキューン
隣のたけがけキャキャキャキャーイ
カエルがピョコピョコミピョピョピョーン
おあやや八百屋やナオヤニャーイ

やめられないのはわかっているの
わかっているけどやめられないのよ

みんな飛ぼう

トボ…トボ…トボ…トボ…
トボ…トボ…トボ…トボ…
合法的に飛ぼうぜベイベー

チノパン

シャーラップ 優柔不断 沸き上がる蜃気楼
ナノナノナで呼び出されちゃ神様も困っちゃう
わんぱくまだあるなら集合は第2パーク
チノパンでもジーパンでも秘密の基地探してハブァナイスデー

アイザックニュートン以来 問題は周波数
恋愛もそう 引力だそう でも結局わからない
快楽 一心不乱 ミニマムなカーテンコール
始まってない味わってない いきなり点滅するカラータイマー

折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン
折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン

何回転転がってもこっちの芝生は青くない

キャッチアップ 問答無用 延長は15分
あからさまにもて余したロスタイムは否めない
執着 脱ぎ捨てたら先頭はダークホース
ヒットポイントが底ついても布の服で戦うRPG

折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン
折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン

決勝点もぎ取ってもこっちのお水は甘くない

人は悩んで大人になるの
悩んで悩んで朽ち果てるの
口笛ふきゃ蛇が来る
あたい蛇になるコマンタレブー

折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン
折れたチノパン 当たったチノパン
アンダーがチノパン

何回転転がってもこっちの芝生は青くない

ライカ

ドーナッツの割り方に隠されていたラストシーンの暗号
カーペットに寝転んだ君の寝息が日曜日の証拠

誰がドコ 何がドウ
自慢話に魔法をかけました

案外気楽なもんなんです
起きた君が寝ぼけ眼で
ゆったり伸びる姿なんか秀逸ね

スプートニックの英雄です
衛星軌道に乗っかって
窓の外の地球は健全…かもね

うかつな欲望で少し遠くのコンビニまで散歩
ふたつのエクレアは電光石火 手ぶらでまた帰ろう

裏話 ダブルピース
お知らせは全部石に変えました

曖昧模糊でも結構です
君が見てた夢の話を
行ったり来たりナビゲーションは抜群ね

アインシュタインの提案です
すっかり浮世を閉じ込めた
箱庭の中で動くのは…だれだ

案外気楽なもんなんです
起きた君が寝ぼけ眼で
ゆったり伸びる姿なんか秀逸ね

スプートニックの応用です
衛星軌道に乗ったって
窓の外の地球を見てる…かもね

ぼくがぞうになったとしたら

ぼくがぞうになったとしたら
きみと友だちになれるだろうか
鼻のすべり台逆のぼりして
背中に乗ってどこまでも行けるのにな

ぼくがぞうになったとしたら
きみは名前を呼んでくれるかな
大きな耳をパタパタ揺らせば
どこにいてもきみの声がわかるのにな

画用紙にはビリジアン
窓の外は金平糖
目を閉じたら別の場所
おやすみ

ぼくのことを知りもしないきみを知ってるよ
五十音の中にはない名前を呼んでいる

ぼくがぞうになったとしたら
きみがよろこぶ場所まで歩こう
国道沿いをのしのし進めば
夜明けまでにきっと海が見えるはずさ

ぼくがぞうになったとしたら
きみの思い出に残るだろうか
しわくちゃなおばあちゃんになっても
きみのことをずっとここで見てるからね

メルボルンの九官鳥
忘れ物の吹き溜まり
目を開けたら元の場所
おはよう

ぼくのことを知りもしないきみを知ってるよ
0から10の中にはない数をかぞえている

ぼくのけむりはぞうになって空へ消えてゆく
世界中のどこにもない約束をやぶるよ

月がきれい

夜の公園はさみしくてこまる
そして君に会いたいと思った
今君は何をしてるの?

ハッピーエンドの絵本を読んでる
最後のページで君を待つよ
ねぇ君はどこにいるの?

君がふっとため息をついてないように
お願いをした あぁ ねぇ

あのさ
 あのね 
そうだ
 なみだ 
きみの
 でもね 
えくぼ
 いつも 
雲と
 まるい 
空の
 りんご 
言葉
 地球 

わかるかな?
 どうかな? 

君を想う

あぁ 見てごらん
今夜はとても月がきれい

風が吹いたら少し寒いけど
星をつなげて君を作る
今君は何をしてるの?

毛布の中でひつじを数えてる
夢の入り口で君を待つよ
ねぇ君はどこにいるの?

君がほっとするような夢を見るように
魔法をかけた あぁ ねぇ

揺れる
 繋ぐ 
歌う
 踊る 
歩く
 走る 
叩く
 鳴らす 
笑う
 灯る 
光る
 祈る 
伝う
 響く 

届くかな?
 どうかな? 

君を想う

あぁ 見てごらん
今夜はとても月がきれい

とてもきれい

月がきれい

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