WORDS
ウインク

「だいたいのことは忘れちゃうの?」
時速3キロの君が問う
「本当のことは誰に言うの?」
僕はなんとも答えようがない

君の右手には赤い傘
午後から雨が降るらしい
君の予言は甚だしいが
僕はいささか信じられない

気がつけばほら空中に溶けちゃって
遠くに浮かんだ 双眼鏡持ってないや

おかしな笑顔でダバダバ
何かを見つけるやいなや
ウインクひとつでバタバタ
君は世界の半分を消した

「””みんな””って誰のことをいうの?」
いびつな五叉路で君が問う
僕の居場所も穏やかじゃない

振り向けばまた数メーター遠くなって
鼻歌ミレドミ ヘッドフォン持ってないや

逆さま言葉でダバダバ
何かを指差すやいなや
ウインクひとつでバタバタ
君は世界の半分を消した

予言どおりの雨が降る 赤い傘がパッと開く
それはまるで信号の赤い色を思い出す

無邪気なフォームで手を振る
もう会えないような気がした
ウインクひとつでバタバタ
君は世界の半分を消して

僕の半分も消えた